GMDH Streamlineは、迫りつつある欠品や過剰在庫の状況を識別し、予期される機会損失や数量超過を推定できます。数量不足や数量超過は立案された予測に基づき決定されるため、起こりうる可能性があるとして、予測欠品や予測過剰在庫として計算されます。
さらに、 品目収支評価額または購入単価に基づき、予測変動価格を計算します。
この文章では、下記を説明します。:
通常は、将来の品目について次の3つの状況を想定できます。1) 欠品が発生する。 2) 過剰在庫が発生する。 3) 欠品と過剰在庫が発生しない。
GMDH Streamlineは、品目を上記の3つの状況に分類します。分類規則を説明するために、次の表記を導入します。
これに加えて、GMDH Streamlineでは在庫の過不足を簡単に見分けられるように、在庫レポートに特別な色分けがあります。
規則と色分けを説明には、在庫計画タブの需要予測と購入計画のセクションの表示が必要です。在庫計画タブの列の表示から、下記の図で表示されているオプションにチェックを入れ、セクションを表示します。
プロジェクト例を利用しながら、さらに進めていきます。
欠品を計算するため、GMDH Streamlineはリードタイム中の在庫移動イベントを基礎とするシミュレーションを実行します。このシミュレーション中に計算された最低(マイナス)在庫水準が、欠品数量となります。
欠品計算についての時間経過を考慮しないおおよその計算方法は、次のようになります。:
欠品 = MAX(0, D(LT) - On hand - InTrn(LT) + PndSales(LT))
結果として、欠品を決定するおおよその規則は、次が成立した場合です。:
D(LT) > On hand + InTrn(LT) - PndSales(LT) (1)
ここで、品目 H1010について考えます。数式 (1)がいかにして欠品を決定するかを説明するため、私たちはこの品目の手持ち在庫と入荷数量を事前に上書き済みです(下記の図を参照1))。
この場合、不等式 (1) が成立します2)。:
24 > 10 + 10 - 0
欠品数量はレポートの欠品列に表示されています。私たちの例では欠品は4単位です。
在庫レポートにて、欠品品目は次のように表示されます(上記の図を参照)。:
これまで見てきたように、ここでは現在の推奨購入オーダーがあります。GMDH Streamlineは、2月の12単位の需要を満たすために、1月の初日までに、50単位のオーダーを推奨します。最小ロットの50単位のため、過剰オーダーがあります。
過剰在庫を決定するため、GMDH Streamlineは、リードタイムにオーダーサイクル期間に加算した中の在庫移動イベントを基礎とするシミュレーションも実行します。シミュレーションの終了時点の在庫水準が、過剰在庫数量になります。
過剰在庫計算のおおよそかつ、静的な計算方法は、次のようになります。:
過剰在庫 = MAX(0, On Hand - PndSales(LT+OC) - D(LT+OC) + InTrn(LT+OC) - SS(OC))
結果として、過剰在庫を決定するおおよその規則は、次が成立した場合です。:
On hand + InTrn(LT+OC) - PndSales(LT+OC) > D(LT) + D(OC) + SS(OC) (2)
過剰在庫数量の計算のため、GMDH Streamlineは下記の数式を利用します。:
ここで、品目 L2010について考えます(下記の図を参照)。
この場合、不等式 (2) が成立します。:
50 + 10 - 0 > 11 + 12 + 1
過剰在庫数量はレポートの過剰在庫列に表示されています。私たちの例では過剰在庫は36単位です。
在庫レポートにて、過剰在庫品目は次のように表示されます(上記の図を参照)。:
これまで見てきたように、過剰在庫が発生すると、推奨購入オーダーはありません。
これは理想的な状態であり、GMDH Streamlineはこの状態へ導くように設計されています。この場合次が成立します。
On hand + InTrn(LT+OC) - PndSales(LT+OC) ≤ D(LT) + D(OC) + SS(OC). (4)
D(LT) ≤ On hand + InTrn(LT) - PndSales(LT) (3)
On hand + InTrn(LT+OC) - PndSales(LT+OC) ≤ D(LT) + D(OC) + SS(OC) (4)
品目 C1020を考えます(下記の図を参照)3)。
この場合、2つの不等式がともに成り立ちます。:
100 ≤ 120 + 0 - 10
120 + 0 - 10 ≤ 100 + 63 + 3
在庫レポートにて、これらの品目は次のように表示されます(上記の図を参照)。:
私たちの例では、1月の需要であるD(LT)を満たしますが、一方で2月の需要であるD(OC)を満たすほど十分な在庫がありません。このため、(100 + 63 + 3 - (120 + 0 - 10))より計算される)56単位のオーダーが推奨されます。
欠品と過剰在庫は、単一の品目基準、またはすべての品目基準の両方で閲覧できます。
次の手順に従い、単一の品目基準で欠品と過剰在庫を閲覧します。:
次の手順に従い、在庫計画タブにて、すべての品目基準で欠品と過剰在庫を1つのレポートで閲覧します(下記の図を参照)。
欠品または過剰在庫がある品目をテーブルの先頭に表示したい場合、対応する欠品または過剰在庫列のヘッダ部分をクリックしてテーブルをソートします(下記の図を参照)。
予測欠品在庫金額や予測過剰在庫金額から品目の分析できます。この計算には、品目評価額のインポートが必要です。
1つのレポートからすべての品目の予測欠品在庫金額と予測過剰在庫金額の閲覧ができます。
次の手順に従い、単一の品目基準で、予測欠品在庫金額と予測過剰在庫金額を閲覧します。:
すべての品目の予測過剰在庫金額と予測欠品在庫金額を1つのレポートで確認するには、レポートタブへ進み、KPIレポートを選択します(下記の図を参照)。
レポートツールバーにあるレポートのエクスポートボタンをクリックして、このレポートをExcelにエクスポートできます(下記の図を参照)。