この文章では、以下を説明します。:
補充パラメータは、GMDH Streamlineにて計算される補充計画に影響をコントロールします。言い換えると、これらは補充計画の計算処理の入力になります。補充パラメータは、次の3つに分類できます。
次の一覧表にて、補充パラメータの説明と要件とデフォルト 値を紹介します。
パラメータ | 説明 | 設定 | フォーマット | デフォルト 値 |
---|---|---|---|---|
基礎パラメータ | ||||
予測期間 | オーダー計画を立案したい将来の期間数。 | データ集計期間 | 整数 | 12 |
補充方式 | 補充処理の決定方法。ミニマックス方式と定期方式の2つがあります。 | 定期方式 | ||
安全在庫期間 | 需要が安全在庫として利用される将来の期間数 | データ集計期間 | 整数または小数 (例: 1.5) | 1.0 |
サービス率 | 在庫となっている品目が利用できる(長期間の平均の)パーセントです。 | パーセント | 整数 | 98% |
リードタイム | 購入先からのリードタイム、物流センターからの地点までのリードタイムのどちらかを表しますが、これは計画品目の位置に依存します。 | 日数 | 30 | |
オーダーサイクル | 購入先へオーダーする頻度 | データ集計期間または日数またはリードタイム | 1 データ集計期間 | |
手持ち在庫 | 現在の在庫数量 | 0 | ||
未完了オーダー情報 | ||||
入荷数量 | 未完了オーダー明細に基づく受け取り予定数量です。これは、未完了購入オーダー、未完了移動オーダー、未完了製造オーダーとなる可能性があります。 | 整数 | 0 | |
入荷日付 | 対応する未完了オーダー明細の予測予定日または予測製造完了予定日です。 | 日付フォーマット | 予測期間の初日 | |
出荷数量 | 未完了販売オーダー明細に基づく出荷予定数量 | 整数 | 0 | |
出荷日付 | 対応する未完了販売オーダー明細の顧客への出荷日付 | 日付フォーマット | 第1予測期間の初日 | |
制約 | ||||
最小ロット | 購入先または物流センターへオーダーできる最小数量。購入先または物流センターを決定する、供給元は品目の位置に依存します。 | 整数 | 0 | |
最大ロット | 購入先または物流センターへオーダーできる最大数量。 | 0 | ||
丸め | オーダー数量の丸め制約。段ボールの梱包数量を考慮し、必要数量から購入数量を作成します。 | 0 | ||
陳列数量 | 棚に陳列する最小数量単位です。このパラメータは、小売業で一般的に設定されます。 | 0 | ||
オーダー可能 | このパラメータは、特定の将来の期間にて、GMDH Streamlineが購入オーダーの可否を定義します。デフォルトでは、このオプションは利用できず、すべての将来の期間にて購入オーダーを作成できます。 | 真偽 | 真 | |
保存期限 | 貯蔵品として存在可能な期待時間。 | データ集計期間 | 整数 | ∞ |
保存期限超過 | 補充数量の中で、廃棄される可能性のある平均割合 | パーセント | 保存期限が設定された場合5% |
制約にて0値(数字の0)が設定された場合、制約がないと解釈されます。
Excelファイル(XLS、XLSX)からデータをインポートする場合、GMDH Streamlineは、Excelの標準フォーマットの日付を解釈できます。CSVファイルを代表とするテキストファイルについては、次のいずれかのフォーマット日付が必要です。:
dd.mm.yy
m/d/yy
mm/dd/yyyy
yyyy/mm/dd
yyyy-mm-dd
yyyy_mm_dd
yyyymmdd
GMDH Streamlineは、Excelファイル内のこれらフォーマットも理解できます。
補充パラメータの設定方法はいくつかあります。それぞれの方法はパラメータを設定できる範囲や設定の細かさが異なります。
利用できる方法と変更により発生する設定の細かさを、次の一覧表に紹介します。
方法 | 設定の細かさ |
---|---|
設定を利用しデフォルトを変更 | 変更は、すべての計画品目に一括で適用されます。2つの計画品目がある場合、異なる値を設定できないことを意味します。 |
データソースからインポート | 品目を基準に各パラメータを設定できます。一括変更もできます。 |
在庫レポートにて編集 | |
Excelからインポート |
各方法が変更できる補充パラメータを、次の一覧表に紹介します。
設定を利用しデフォルトを変更 | データソースからインポート | 'すべての品目' レポートにて編集 | Excelからインポート | |
---|---|---|---|---|
基礎パラメータ | ||||
補充方式 | ||||
安全在庫期間 | ||||
サービス率 | ||||
リードタイム オーダーサイクル | ||||
手持ち在庫 | ||||
未完了オーダー情報 | ||||
入荷数量 | 1 | 1 | ||
入荷日付 | 1 | |||
出荷数量 | 1 | |||
出荷日付 | ||||
制約 | ||||
最小ロット 最大ロット 丸め 陳列数量 | ||||
保存期限 | ||||
保存期限超過 |
1データソースからインポートを例外として、在庫レポートにて編集 と Excelからインポートは、各オーダーの入荷数量と出荷数量を個別に変更できません。入荷数量と出荷数量は、対象の未完了オーダーの総数量をパラメータに設定します。例えば、未完了購入オーダーが2つあり、それぞれの数量が10単位と20 単位と仮定します。この場合、入荷数量に30 単位を設定します。
しかし、Excelからインポート方法で入荷日付が設定された場合、GMDH Streamlineは、設定された入荷数量がその日に到着すると仮定します。言い換えると、入荷数量は1つのオーダーを対象にし、2つ以上のオーダーの総数量を対象にしていません1)。
計画期間は、需要予測タブのツールバーにある予測期間 コントロールから設定します。
オーダー可能 制約は、プログラム 設定にてオプション設定後、需要予測タブから設定します。
オプションとして、在庫レポートで編集またはExcelからインポートでは、計算された安全在庫を上書きできます。この場合、上書きされたパラメータは、GMDH Streamlineがオーダー計画を立案するときの入力として利用されます。
しかしながら、データソースからインポートを利用した修正は、上記一覧表の第2列に表示されたすべてのパラメータを修正できるわけではありません。修正できるまたは修正できないパラメータの組み合わせは、プロジェクト作成時に利用されたデータに依存するためです。上記一覧表は、データベース 接続と取引データ接続の場合の説明です。他の場合の修正は、次から参照できます。
一般的な状況の利用を想定した、次の3つの修正方法があります。:
最後の方法であるExcelからインポートは、補充パラメータの設定の追加的な方法です。この方法は、在庫レポートにて編集の代替です。この方法は、次の状況で役に立ちます。
上記で説明したパラメータの修正方法には、優先順位があります。この優先順位は次のようになります(最下位から説明します)。:
1. GMDH Streamlineのデフォルトは、最下位の優先度になります。在庫レポートでは、デフォルトは灰色の文字で表示されます(下記の図を参照)。
2. ユーザーのデータソースからインポートあるいは再インポートされたパラメータは、デフォルトを置き換えます。在庫レポートでは、置き換えられたパラメータは黒の文字で表示されます(下記の図を参照)。
3. 在庫レポートでの変更やExcelファイルのインポートで上書きされた変更は、最高位の優先度になります。在庫レポートでは、上書きされた変更は青の文字で表示されます(下記の図を参照)。
この方法は、すべての計画品目のデフォルトを一括でリセットします。
メニューよりファイル > 設定 > 在庫タブ を選択します(下記の図を参照)。
このタブには、物流センター(DC)を除くすべての地点のデフォルト補充パラメータがあります。
物流センターを利用するサプライチェーンの場合、物流センター タブを利用して、物流センター用のデフォルトパラメータを設定します(下記の図を参照)。
次の例を考えます( ダウンロード)。私たちのデータソースは、Excelファイルに保存され、集計された販売履歴があると仮定します(下記の図を参照)。
ご覧のようにファイルには、手持ち在庫、入荷数量、リードタイム、オーダーサイクルなどの補充パラメータが含まれています。
集計スプレッドシート接続を利用し、このデータソースをもとに新規プロジェクトを作成します。プロジェクトの新規作成には、メニューよりファイル > 新規 > スプレッドシート 接続 > 集計データを選択し、その後スプレッドシートの列を適切に関連付けます(下記の図を参照)。
最後に、OKをクリックして、インポート処理を開始させ、プロジェクトを作成します。
ここで、在庫計画タブを選択し、インポートした補充パラメータを確認します(下記の図を参照)。
次に、データソース内で変更された補充パラメータを、GMDH Streamlineが自動で同期することを確認します。
自動同期を確認するため、Excelファイルを開き、例としてC1020のリードタイムを変更します(下記の図を参照)。
その後、Excelファイルを保存し、GMDH Streamlineに戻りデータ更新 ボタンをクリックします。ご覧のように、リードタイムが変更されています(下記の図を参照)。
GMDH Streamlineには、在庫計画のために設計された、3つの主要なタブがあります。その3つタブは、在庫計画と内部倉庫最適化と物流センターです。各タブは、複数のカスタムレポートがあり、在庫情報の一断面を表示します。これらのレポートを示すため、ここでは在庫レポートという用語を導入します。
在庫レポートを利用した補充パラメータ変更方法は、オーダー計画立案前の補充処理の調整方法の中で、最も簡単で最もよく利用される方法です。
デフォルトのレポートは、各タブにあり、すべての品目レポートと呼ばれます。このレポートは、すべての計画品目を表示します。組み込みのデモデータからInventory Planning by Monthを開き、在庫計画タブを選択します(下記の図を参照)。
ご覧のように、レポートには、手持ち在庫、出荷、入荷、リードタイムとその他の列があります。これらの補充パラメータは、物流センター(DC)ではなく、地点に関連します。物流センターに関連する補充パラメータは、物流センタータブにあります。このデモデータは、物流センターを定義していないため、物流センタータブは表示されていません。
デフォルトでは、在庫レポートは、データソースからインポートした補充パラメータのみを表示します。しかし、レポート設定を変更することで、すべての利用可能なパラメータを表示できます。次の手順に従い、表示します。:
このデモデータには、最小ロットパラメータがあります。ここで、最小ロットオプションをクリックし表示します。この結果は次です(下記の図を参照)。
在庫レポートの補充パラメータを編集します。:
私たちの例では、品目VR2156 200のMin lotを1000から100に変更しました(下記の図を参照)。
ご覧のように、最小ロットの変更に合わせて、推奨オーダー数量も変更されました。
在庫レポートからの直接の変更は、上書き値になります。これらは、青い文字で表示されます(下記の図を参照)。
次の手順に従い、元の値に戻します。:
GMDH Streamlineでは、フィルターからカスタムレポートを作成できます。これらのレポートは、すべての品目レポートと同じ列を表示します。カスタム在庫レポートは、すべての品目レポートにフィルターを適用したレポートです。このレポートでも、上記で説明した方法で補充パラメータを変更できます。
物流センター タブには、補充パラメータの変更に関して、在庫計画 タブと同等の機能があります3)(下記の図を参照)。
内部倉庫最適化タブは、在庫計画 タブで表示されている補充パラメータを複製します(下記の図を参照)。通常このタブは、地点間の移動オーダーの作成とエクスポートのために利用されます。しかし、このタブでも補充パラメータの変更ができます。
GMDH Streamlineでは、在庫レポートで補充パラメータをまとめて編集できます。次の手順に従います。:
2. 選択した範囲の中でパラメータを編集したい列で、キーボードのF2、またはセルを右クリックし右クリックメニューから編集メニューを選択します(下記の図を参照)。
3. 値を入力後、Enterを入力し、変更を確定します。
私たちの例では、一部の計画品目のリードタイムを30から45に変更されました(下記の図を参照)。
次の手順に従い、一括してオリジナルの値に戻します。:
1. 上書きを削除したい対象の範囲を選択します。キーボードのCtrlまたはShiftを押しながら、連続する品目の組み合わせを選択します
2. 選択した範囲の中でパラメータを編集したい列で、キーボードのF2、またはセルを右クリックし右クリックメニューから編集メニューを選択します。
3. 3. 値を削除後、Enterを入力し、変更を確定します。
この方法は、在庫レポートにて編集の代替であり、GMDH Streamlineでは補充パラメータの設定にも利用できます。
Excelファイルから正しく補充パラメータをインポートするためには、GMDH Streamlineが利用するファイルフォーマットの理解が必要です。ファイルフォーマットを調べるために、ツールバーにあるパラメータのエクスポート ボタンをクリックします(下記の図を参照)。
ここで、新しく作成されたファイルをパラメータを設定するためのテンプレートとして利用できます。例として、先頭の6品目のリードタイムを45日に設定します(下記の図を参照)。
次に、ファイルを保存後、GMDH Streamlineのパラメータのインポート ボタンをクリックして、上書き値値をインポートします(下記の図を参照)。
GMDH Streamlineにインポートされたすべての変更は、青文字で表示されます(下記の図を参照)。
次の手順に従い、他のファイルからパラメータをインポートします。:
1. パラメータのインポートボタンの近くにある小さい矢印をクリックします(下記の図を参照)。
2. ファイル選択…オプションを選択します(下記の図を参照)。
3. ファイルを選択し、開くボタンをクリックします。
GMDH Streamlineは、将来の特定の期間で購入オーダーの作成禁止ができます。何らかの理由で期間中に購入先がオーダーを受けられない場合に、この機能が役に立ちます。
例を使いこの機能を説明します。組み込みのデモデータのInventory Planning by Monthを開き、需要予測 タブを選択し、ツリーからCusotmer goods 分類 > Sporting goods 分類からFigure skates品目を選択します(下記の図を参照)。
ご覧のように、将来の期間で購入オーダーが用意されています。
ここでは、購入先が2019年の1月と2月でオーダーを受けられないと仮定します。この制約を設定するには、メニューよりファイル > 設定 > プロジェクトタブを選択し、オーダー可能の有効化オプションにチェックを入れます(下記の図を参照)。
次に、テーブルにオーダー可能行が新しく追加されました(下記の図を参照)。
この行は、チェックボックスの組み合わせで構成され、GMDH Streamlineにオーダーを作成許可できる期間を指定できます。デフォルトでは、GMDH Streamlineは、どの将来の期間でも、制限なくオーダーを作成できます。オーダー可能のチェックボックスのデフォルト色は灰色で、現在時点ではパラメータの未変更を意味します。
ここで、制約を設定します(下記の図を参照)。
ご覧のように、制約設定後すぐに、次が発生しました。:
この時点で、私たちは1月と2月のオーダーがありません。 – その発注量が0になっています(上記の図を参照)。しかし、今回のオーダーが増加しました、これは1月と2月の需要を満たすためです。
分類レベルでオーダー可能制約を設定する必要があると仮定し、Sporting goods 分類を例とします。ツリーにてこのノードをクリック後、オーダーの禁止をします、例えば2019年1月を設定します(下記の図を参照)。
ご覧のように、オーダー可能制約がツリーの最下位まで伝播しているのがわかります。ここで、品目B05465-Rには灰色のアイコンが表示されています。
例として、品目Figure skatesのオーダー可能設定を削除します。ツリーから対象ノードを選択したのち、右クリックメニューからすべてクリア > オーダー可能を選択します。
私たちの例では、Storting goods 分類は自身のオーダー可能制約を持ち、品目Figure skatesはその下層にあります。ご覧のように、品目Figure skatesのアイコンは黒から灰色に変わりました、このことは、Figure skatesが親ノードのオプションを継承していることを表します7)。
ツリーのすべての階層で、すべてクリアを適用できます。