説明を簡略化するため、チャネルのインポートをせず、地点のインポートだけを仮定します。この場合、地点と品目コードの組み合わせが在庫計画品目を定義します。GMDH Streamlineには、設定に応じて次の2つの異なる安全在庫があります。
在庫補充方式に依存しますが、安全在庫またはDC 安全在庫は、準備在庫の次の評価になります。:
GMDH Streamlineが計算する安全在庫は、モデルタイプで異なります。
間欠需要モデル以外のモデルタイプでは、次の計算方法のいずれか1つを利用し、安全在庫を計算します。
(1)
ここで:
α
は、設定されたサービス率から明確に決定されます。
t
はオーダーサイクルです。ミニマックス補充方式の場合、t
はリードタイムです。オーダーサイクルとリードタイムは、計算前にデータ集計期間で変換されています。安全在庫期間の例を挙げます。月次データを使い、データ集計期間を1か月と仮定します。ここで、安全在庫期間 = 2を設定すると、安全在庫は2か月分の需要の合計値となります。さらに、リードタイムが30日、オーダーサイクルが1か月のため、リードタイムとオーダーサイクル経過後である2月と3月の需要の合計値が安全在庫になります(下記の図を参照)。安全在庫期間は小数でも設定できます。
DC 安全在庫の計算は、安全在庫と同じ計算方法の1つを利用します。ただし、数式(1)だけが異なります。
(2)
ここで:
m
は、物流センターから供給を受ける地点数です。δi
は、i番目の地点の学習セットのモデルの不偏標準偏差です。α
は、設定されたDC サービス率から決定されます。t
はDC オーダーサイクル値です。ミニマックス方法の場合、t
はDC リードタイム値です。DC オーダーサイクルとDC リードタイムの2つの値は、計算前にデータ集計期間で変換されています。
T
を安全在庫が計算される将来のデータ集計期間と仮定します。
T ≤ 1
のとき、安全在庫は、次の対数正規分布の推定値となります。:
, (3)
ここで:
モデルタブの偏差と中央値のパラメータは、ユーザーが調整できます。
T > 1
の場合、安全在庫は次の3つの手順から計算されます。:
1. 最初に、 と の推定値の探索をします。
2. 次の方法に従い、推定値の補正します。:
,
ここで:
Pt
- 取引確率です。VarB(T - 1)
-2項分布の分散の推定値です。3. 補正した推定値を利用した数式(3)を利用し、安全在庫を計算します。
T
が小数の時2項分布は成り立ちませんが、分散の数式はあります。
安全在庫またはDC 安全在庫の計算後、GMDH Streamlineは、これらを次の方法のどちらかで再計算します。
Safety stock = Display qty + Safety stock
安全在庫 = MAX(陳列数量, 安全在庫)
(デフォルト)安全在庫 = 陳列数量 + 安全在庫
陳列数量をインポートしていない場合、陳列数量は0になります。
プロジェクト設定から、上記の方法を切り替えることができます。
2段階モデルで在庫を補充するため、GMDH Streamlineは、安全在庫負債アプローチを利用します。次の例を考えます(下記の図を参照)。
図中には、4つの地点があります。1つは物流センターで、最上層のエシェロンに位置します。残りの3つの地点は、保管所であり、最下層のエシェロンに位置します。それぞれの地点で、次の3つの安全在庫の特性が計算されます。:
2段階モデルでは、各計画品目の安全在庫負債 払出を計算します。現在の手持ち在庫水準とリードタイム中の需要に依存しますが、安全在庫負債 払出は次を含む可能性があります。:
適用できる場合をすべて考慮します。
制約(最小ロット、最大ロット、丸め)がない場合、安全在庫負債 払出の計算は、次のロジックに従います。:
手持ち在庫 ≥ 安全在庫 + D(LT) の場合、
安全在庫負債 払出 = 0
安全在庫 ≤ 手持ち在庫 < 安全在庫 + D(LT)の場合、
安全在庫負債 払出 = MIN(安全在庫, D(LT) + 安全在庫 - 手持ち在庫)
手持ち在庫 < 安全在庫の場合、
安全在庫負債 払出 = MIN(安全在庫, D(LT) + 安全在庫 - 手持ち在庫)
ご覧のように、安全在庫負債 払出は、地点の安全在庫を超えることはありません。
安全在庫負債 受入の数式は次になります。:
,
ここで:
N
– 物流センターから供給される地点数i
番目の地点からの安全在庫負債 払出安全在庫負債 累計の数式は次になります。:
Debt accumulated = MIN[MAX{0, Forecasted consumption - DC On hand} + Debt received, Max SS debt]
,
ここで:
Demandi(DC lead time)
– i番目の地点のDC リードタイム中の需要予測N
– 下層のエシェロンにある地点数。Safety stocki
– i番目の地点の安全在庫。GMDH Streamlineの安全在庫負債を説明するため、組み込みのデモデータのTwo-echelon Inventory Planningを利用します。下層のエシェロンにある地点の安全在庫負債を確認するには、在庫計画タブに進み、ツールバーにある列の表示から安全在庫負債オプションをチェックします(下記の図を参照)。
ご覧のように、物流センターから供給される地点では、受入列と累積列は空欄になっています。払出列は、上層のエシェロンへの安全在庫負債 払出を表示します。
物流センターの安全在庫負債を確認するには、物流センタータブに進み、ツールバーにある列の表示から安全在庫負債オプションをチェックします(下記の図を参照)。
物流センター タブでは、追加された安全在庫負債セクションが表示されています(下記の図を参照)。
受入と払出と累積の列は、安全在庫負債 受入と安全在庫負債 払出と安全在庫負債 累積に関連します。払出列の灰色は、物流センターの計算に利用されていない、単なる表示列を意味します。
安全在庫とDC 安全在庫の計算方法は、個別に設定できます。
次の手順に従い、安全在庫の計算方法を設定します。:
次の手順に従い、DC 安全在庫の計算方法を設定します。:
上記で説明しましたが、安全在庫とDC 安全在庫は、設定されたサービス率と安全在庫期間のパラメータから計算されます。GMDH Streamlineでは、これらのパラメータの設定方法がいくつかあります。設定方法について学ぶには、補充パラメータ設定方法を参照してください。